トイレのつまりで1番厄介なのは、生理用品のナプキンを排水管につまらせてしまった時です。
トイレットペーパーのように水に溶けるものは、ラバーカップ(すっぽん)などで押し流してトイレ詰まりを解消できますが、生理用ナプキンの場合は吸水性ポリマーなど特殊な素材が使われているため、必ず取り出す(取り除く)必要があります。
また、使用済みの生理用品をトイレに落としてしまった場合、心理的に恥ずかしさがあるため、専門業者に依頼せずに自分で何とかしようとして、より状態を悪化させてこじらせてしまうケースが多くあります。
ここでは生理用ナプキンを流してトイレつまりになってしまった場合の自分でできる3つの解消法と、専門業者へ依頼した方が良いケースの目安について詳しく紹介します。
生理用ナプキンの素材
まず最初に、生理用ナプキンに使われている原料・素材のほとんどは紙ではなく、石油化学用品です。
【生理用ナプキンの素材】
- 表面:不織布
- 吸収材:綿状パルブ、吸収紙、高吸収ポリマー
- 防濡材:撥水性の不織布、フィルム
- ズレ止め:粘着剤
生理用ナプキンの肌に直接触れる表面は液体を素早く通過させ、液体が表面に残らないように不織布(ふしょくふ)で包まれており、液体を吸収する吸収材、吸収を促進するポマー、漏れないようにする防漏材、フィットするようにズレなくするズレ止め材で構成されています。
不織布とは、繊維を織らずに絡み合わせたシート状のもので、プロピレンという炭化水素の一種を重合させ、加熱することによって人為的につくられた樹脂「ポリプロピレン」が多く使われています。
ポリプロピレンは、簡単に言うとプラスチックの一種です。
そのため生理用ナプキンは、素早く排水管から取り除く必要があるのです。
トイレ詰まりで絶対避けたいNG行動
一般的なトイレ詰まりの場合、真っ先に使う道具がラバーカップ(すっぽん)です。
ラバーカップはトイレットペーパーや便など、明らかにトイレに流せるものを流すための道具で、詰まりを吸い上げて押し流す効果があります。
しかし、本来流したくない生理用ナプキンの場合、より排水溝の奥へと押し流してしまうため使用はNGです。
生理用ナプキンを便器に落としてしまっても、絶対にラバーカップ(すっぽん)を使わないようにしましょう。

ナプキンのトイレつまり3つの解消方法
生理用ナプキンがもし便器に落ちたら、自分でできるトイレつまりの解消方法は3つあります。
1.まず最初に手で拾えるか確認
誤って生理用ナプキンが便器に落ちたら、ビニール袋を2枚重ねで手袋代わりに手にはめ手首を輪ゴムで留めることで、躊躇せずすぐにナプキンを拾い上げることができます。
この時点で生理用ナプキンが拾え、取り出せればもう心配はありません。
この初動が特に大切です。
2.針金ハンガーなど針金を使用
手で取り出すことができなかった場合、ナプキンは便器の奥の排水溝にまで流れて留まっている可能性が高くなります。
この奥の方はU字の排水溝なので、針金ハンガーなど針金を使って、奥の方まで入れてひっかけて取り出します。
針金ハンガーは柔軟性と長さ(伸ばすと80cmくらい)があり、排水管の奥まで届くので意外と便利な小道具です。

しかし家にある道具で素早く対応したい時には、この方法がおすすめです。
<手順>
- 針金ハンガーは、ペンチ等でトップに巻き付いているねじられた部分を外し、1本の針金にします。
- トップのS字部分の先端を、ほんの少し引っ掛かりやすくするようかぎ状に曲げます。
- ゴム手袋をつけて作業を始めます。便器内の水はあらかじめ汲みだして減らしておくと作業がスムーズです。
空のペットボトルの底を切って簡易ひしゃくを作ってくみ出すと使い捨てられるので便利です。 - トップのS字側を便器の奥へ入れていきます。
排水路の入り口付近は少し上向きになっているので、少し上向き気味に入れます。 - 先端だけを排水溝のU字に添わせるように、ゆっくり奥まで送り進めてから、ナプキンに引っかかるよう回転させたり前後に動かして、ゆっくりと引き出します。これを何度が繰り返します。※便器は陶器製のため、針金で強く掻きすぎると傷をつけてしまう可能性があります。
ある程度繰り返してみて取り出せなかった場合は、自分での作業はあきらめて終了させてください。
3.ワイヤーブラシを使用
ホームセンターなどで売っている長いワイヤーブラシを使って掻き出す方法もあります。
近くにホームセンターがある場合はこの方法が簡単です。
ワイヤーブラシは2〜3mの長さで、ブラシは硬めの商品を選択してください。
<手順>
- ゴム手袋をつけて作業を始めます。便器内の水はあらかじめ汲みだして減らしておくと作業がスムーズです。
空のペットボトルの底を切って簡易ひしゃくを作ってくみ出すと使い捨てられるので便利です。 - ワイヤーブラシをまっすぐに伸ばし、らせん状にねじりながら便器の中に入れていきます。ナプキンに引っかかるよう回転させたり前後に動かして、ゆっくりと引き出します。
これを何度が繰り返します。
ワイヤーブラシは、針金ハンガーよりも便器に傷をつけにくい利点はあります。
専門業者へ依頼する目安
先に紹介した3つの解消法で解決しなかった場合は、速やかにトイレつまり専門の修理業者へ連絡しましょう。
また、生理用ナプキンを落としてから何度か水を流してしまったような場合は、解決法などは試さずに、少しでも早く専門業者を呼んだ方が良いでしょう。
できるだけ早く、奥まで流れる前に業者に依頼した方が、結果としては作業代も安く収まります。

トイレ修理の料金についてはこちらで詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
トイレの詰まりで1番厄介な、生理用ナプキンを流してしまった時の解消法について紹介しました。
ぜひ参考にして下さい。