お惣菜の残った汁やラーメンのスープなど残飯を廃棄するときに、トイレに流していませんか?
トイレが詰まったり、水の流れが悪いなどの症状がある方は、トイレに流した食べ物が原因となっているかもしれません。
確かに、残飯をご家庭のゴミ箱・ゴミ袋に入れておくと、においの問題やゴミ出しの手間が発生するのは事実です。
しかし、残飯・食べ物をトイレに流すことによってトイレが詰まったり下水管にトラブルが生じたりと、想像以上の不都合が生じることがあります。
少しの配慮でこれらのトラブルを避けられるなら、避けたいと思われる方が大半ではないでしょうか?また、すでにトイレのつまりに直面している方は、一刻も早く直したいと思われているでしょう。
目次
残飯・食べ物によるトイレ詰まりの原因|4つのパターン
残飯をトイレに流すと、詰まりの原因になります。
そして、つまりの理由・原因は大きく分けて4つのパターンがあります。
パターンを理解することで、どのような食材にどんなリスクが生じるのかがよく理解できるので、一つひとつのパターンを見ていきましょう。
理由①固まった油が排水管に詰まる
油は冷えると固まる性質があります。
残飯に含まれている油分は、トイレの流水で流れたあとに、便器内の排水路や地下の配管などに付着してかたまりになります。
その証拠として分かりやすい例が、東京都下水道局のパンフレットです。
多くの自治体では飲食店に対して油を下水として流さないようにするための装置の設置を呼びかけています。
一般のご家庭でも、天ぷらに使用した大量の油をそのままシンクに流したことが原因で、排水管が詰まる事例が生じています。
配管が詰まった場合には、地域一体の下水に影響が生じるリスクもあります。
理由②固形の食べ物がトイレの排水路に詰まる
お惣菜などの固形の食べ物は、トイレ便器の排水路に詰まる可能性があります。
トイレの排水路は、管が細いうえに曲がりくねっているので、固くて一定のサイズのあるものはよく詰まります。
理由③水に溶けない食材が蓄積する
残飯は、基本的には水に溶けません。
水に溶けないものは、排水路や配管のなかで形を保ったまま滞留するため、そのときにはつまらなくても残飯の蓄積によってトイレを詰まらせることがあります。
「これまで何度かトイレに残飯を流したことがあるけど、詰まったことがないから問題ない」という考え方は正しくありません。
理由④菌によるぬめりにより詰まりやすくなる
残飯は、ウイルスや細菌にとってエサになります。
結果的に排水路にしっかりと密着して、余計に詰まりやすくなります。
残飯・食べ物によるトイレのつまり対策
残飯によってトイレが詰まってしまったら…、できるだけ早くつまりを解消しなくてはなりません。
対処法は大きく分けて、ご自身で対処する方法と専門の水道修理業者に依頼する方法とがあります。この章では、4つの対策を解説します。
食べ物を手で取りだして除去する
残飯が便器の手前側にあるときには、直接手でつかんで除去することも可能です。
除去の手順は、以下のとおりです。
- トイレの水で汚れないように、便器の周囲を新聞紙などで養生します
- 衛生対策として、ゴム手袋を着用。また便器と顔の距離が近くなるため、マスクを着用した方がよいでしょう
- ゆっくりと手を便器の排水口に入れ、手で拾い上げられる範囲の残飯をすくい上げてください
ラバーカップ・真空管パイプクリーナーを使用する
ラバーカップや真空管パイプクリーナーを使用する方法は、トイレのつまり除去として最も一般的な方法です。
ラバーカップを使用できるのは、便・トイレットペーパー・固形物以外の残飯が詰まっているときに限られます。
ラバーカップ・真空管パイプクリーナーの使用手順は、以下のとおりです。
- 便器の周囲を養生する
- 便器の排水口のあたりにゆっくりと先端のラバー部分を当てて押し込みます
- 引くときに力を入れて、つまりを引っ張り出します
- つまりが解消されるまで、繰り返してください
つまりの種類や強度によっては効果がないものの、多くの場面で利用できる対処法です。
つまり除去用ワイヤーを使用する
つまり除去用ワイヤーとは、排水管のつまりを手動で取り除くための器具のことです。
ホームセンターやオンラインショップなどで販売されています。
細いワイヤーの管を配管野中に入れられるため、トイレの排水口近くの残飯であればワイヤーが届く可能性があります。
水道修理業者に依頼をする
水道修理業者に依頼をすると、専門業者ならではの技術・価格で確実な作業が期待できます。
水道修理業者のなかには、年中無休でスピード駆けつけに対応している業者もあり、一刻も早くトラブルを解決したい方にもオススメです。
費用相場
水道修理業者に依頼する場合の費用は、作業の内容や状況によって異なります。正確な金額は、見積もりにて確認しましょう。
トイレ修理の料金についてはこちらで詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
見積もり依頼時の注意点
トイレのつまりによって焦りが生じている時には、焦りや不安から冷静な判断ができないことがあります。その結果、水道修理関連で多くの消費者トラブルが発生しています。
消費者トラブルを避けるためには、水道修理業者選定時に以下の点に注意しましょう。
- 相場からかけ離れた低価格を案内している
- 料金プランが分かりづらい
- 見積もりを提示しないまま、作業をスタートしようとする
- スタッフの対応が不親切
- 保証やアフターフォローの対応がない
要注意!残飯(油や食べ物)が蓄積しているサインとは?
便器内や排水路に残飯が蓄積し始めると、少しずつ兆候があらわれます。
もし、残飯をトイレに流した心当たりのある方で、以下の状態に陥っている場合には、水道修理業者の点検サービスを利用して問題が顕在化する前に対応しましょう。
繰り返し詰まる
手で取り除いたり、水で流れたりする程度の軽度なつまりを繰り返し経験している場合、そのまま使用し続けていると悪化してご自身では対応できなくなる可能性があります。
POINTラバーカップで対応できないほどのケースになると、1万円以上の金額が発生することも珍しくありません。
相談が早ければ早いほど、軽度な症状で抑えられる可能性が高いため、早めの相談をオススメします。
排水升の水の状態が濁っている
排水升(汚水升)が汚れていたり、悪臭がしたりする場合、便器から汚水升までの配管につまりや汚れが生じている可能性が高いです。
このまま配管が完全に詰まってしまったときには、ご家庭の下水がまったく使用できなくなってしまい、緊急工事が必要になります。
排水升にオイルボールができている
排水升に白い油のかたまり(オイルボール)ができている時は、下水から油が流れ出ている証拠です。
ご家庭の排水路のトラブル要因として非常に危険です。
また、そのまま油が下水にも流れてしまうと、下水管のつまりや故障・下水施設の故障などにもつながり、大きなトラブルの原因にもなります。
まとめ
トイレに残飯を流すことは、つまりのリスクの面でもマナーの面でもやってはいけないことです。
心当たりのある方は、まずはトイレに流すのをストップして、残飯や容器の処分方法に沿って処分してください。
対処法については、状況によって異なります。ご自身でできる可能性があるのは、手にとって廃棄すること・ラバーカップや真空管パイプクリーナーを利用することです。
対応が難しい場合には、専門の水道修理業者を依頼して処分をお任せしましょう